いわゆるブランド野菜を育てる農家が、近年増加して来ました。農業の世界もグローバル化が浸透し始めました。費用対効果の良い海外の果物や緑黄色野菜が、市場では人気を得ています。一方で日本の成熟した消費者は安全性と品質、そして希少価値を農作物に求めています。
商品のコストパフォーマンスでは海外の農園には勝てない、しかし品質や独自性なら充分勝ち目がある、とブランド野菜の育成に方針転換をする日本の農園が増えて来たのです。高品質な野菜を育てるためには、現場の温度管理が最重要課題となります。希少価値が光る品種ほど、デリケートな性質を持っており、湿度や温度を的確に管理しなければ、実を結ぶまで成長し難いのです。また温度管理を怠ると、見た目や味や風味などが平均未満になり、市場での価値が半減します。
温度管理を合理的に行うためには、ITシステムの実装が効果的です。長年の農家の感覚だけでは、目が行き届かない死角が生まれやすいです。デジタル温度計を田畑の複数個所に設置すれば、リアルな日々の気温が把握出来ます。同じ田畑でも季節や天気、時間帯などよって気温は随分と変わります。
デジタルデータで、上下する気温の推移を記録しておけば、現場の様子が客観的に把握でき、管理する田畑のどこに、どのような温度管理対策を施すべきか、合理的な戦略を立てやすくなるでしょう。田畑全体にカバーをかけるような対策は現実的ではありませんし、コストも労力も膨大に掛かりますが、先に計測を行う事でピンポイントで的確な温度管理対策が施せます。